渋谷を歩いていると気づきにくいのですが、渋谷区には専門性の高い美術館がいくつかあります。しかも、驚くほど空いています。
スクランブル交差点の混雑から徒歩10分で、来館者が数人しかいない展示室に入れる。この落差が渋谷区の美術館の最大の価値です。
主な施設
太田記念美術館(神宮前)
浮世絵の専門館です。原宿駅から徒歩圏、渋谷駅からも歩けます。
浮世絵は紙と顔料の性質上、長期間の展示ができません。そのため展示替えが頻繁で、月ごとにテーマが変わります。これは裏を返せば、何度行っても違うものが見られるということです。
同時に、展示替え期間は休館するという点に注意が必要です。訪問日が休館期間に当たっていないか、事前に確認してください。
東京都写真美術館(恵比寿)
恵比寿ガーデンプレイス内にある、写真と映像の専門館です。渋谷から1駅、またはJR恵比寿駅から徒歩圏。
都立の施設のため規模が大きく、複数の展示が同時に開催されます。国際的な写真展が組まれることもあり、渋谷区の美術館のなかでは最も本格的です。
戸栗美術館(松濤)
伊万里・鍋島など、日本の陶磁器の専門館です。松濤という渋谷駅の西側にある高級住宅街のなかにあります。
渋谷駅から徒歩10〜15分。この距離を歩くと、交差点の喧騒が完全に消えます。
渋谷区立松濤美術館(松濤)
同じく松濤エリアにある区立の美術館です。企画展中心の運営で、テーマは幅広く設定されます。
建築そのものにも特徴があり、建物を見る目的で訪れる人もいます。
恵比寿のビール関連施設
恵比寿ガーデンプレイス内に、ビールの歴史を扱う施設があります。有料の見学プログラムがあり、試飲を含む構成のものもあります。
内容と料金は時期によって変わるため、公式サイトで確認してください。
日本民藝館(駒場)
厳密には渋谷区ではなく目黒区ですが、渋谷から至近です。民藝運動の拠点として建てられた施設で、日本各地の手仕事の品を収蔵しています。
工芸や日常の道具に関心があるなら、渋谷区内のどの美術館よりも独自性があります。
実務上の注意
休館日
月曜休館が一般的です。 月曜が祝日の場合は開館し、翌火曜が休館になるパターンが多くあります。
渋谷の予定を組む際、月曜に美術館を入れないでください。逆に言えば、月曜は交差点や展望台、買い物に当てるのが合理的です。
展示替え
小規模な専門館では、展示替えのために年に数回、まとまった休館期間があります。特に浮世絵の館は展示替えが頻繁です。
「行けば何か見られる」という前提は立てられません。訪問日の開館状況を必ず確認してください。
入館料
館と企画展によって異なります。当サイトでは金額を掲載していません。各館の公式サイトでご確認ください。
所要時間
1館あたり45分から90分程度です。規模が大きくないため、半日で2館を回ることも可能です。
上野・六本木との使い分け
| 渋谷区 | 上野 | 六本木 | |
|---|---|---|---|
| 規模 | 小 | 大 | 大 |
| 混雑 | 少ない | 多い | 中 |
| 内容 | 専門的 | 総合・大型企画展 | 現代美術・企画展 |
| 所要 | 1時間前後 | 半日〜1日 | 半日 |
| 向いている人 | 静かに見たい | 話題の展覧会 | 現代美術 |
話題の大型展覧会が目的なら、上野か六本木です。 渋谷区の美術館は「渋谷にいるついでに」「雨で予定が崩れたときに」という位置づけが実態に合っています。
雨の日の代替として
渋谷の観光は屋外の比重が高く、天候の影響を受けます。特に渋谷スカイの屋上は強風や降雨で閉鎖されます。
そういう日に切り替え先として機能するのが美術館です。
- 屋内で、天候に影響されない
- 空いているので、雨宿りの人で混むこともない
- 渋谷駅から徒歩または1駅
事前に開館日だけ把握しておくと、当日の判断が速くなります。
静けさが目的なら
松濤エリアを歩くこと自体に価値があります。渋谷駅から徒歩10〜15分、道玄坂を上りきった先にある住宅街で、大使館や高級住宅が並びます。
あの交差点から10分でこの静けさに至る、という落差が渋谷という街の構造をよく表しています。美術館の帰りに、少し遠回りして歩いてみてください。
同様に静かな場所としては、明治神宮と代々木公園があります。
出典
各館の所在地と収蔵分野は公開情報に基づきます。開館時間、休館日、入館料、展示内容はすべて変更されます。訪問前に各館の公式サイトで最新情報を必ずご確認ください。
当サイトはいずれの美術館とも関係のない独立系の観光ガイドであり、入館券の販売は行っていません。